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5−1 契約書の意義・役割

そもそも契約書って必要なの?

    契約書の雛形に沿って作成したから問題はないのでは?

そんな疑問にお答えします。

1.契約書の役割

      ⇒ 取引成功への道しるべ

契約書には、当事者の取引・権利義務について基本的な合意が記載されています。これは取引を円滑に進めるにあたっての道しるべとなり、契約目的達成(契約終了)までの道しるべとなります。かかる道しるべを文書で残すことによって、取引を安全に遂行することができます。

同時に、紛争が生じた際の道しるべにもなります。紛争解決にあたっては、両当事者の合意内容が示されている契約書がすべての基本となります。当事者間では紛争を解決できず、裁判所等第三者機関に委ねる場合でも、契約書が解釈に大きな影響を与えます。この際、(自己に不利な)解釈の余地が生じる可能性の低い「客観的」な契約書であることが、望まれます。

最後に、国際取引の場合は特に、税関、代金送金等にあたって第三者に当事者の合意内容を書面にしたもの(形式が「契約書」であるかを問わず)を示すことが求められます。その際、第三者が求める要件を満たしている(例えば賃貸借なのか使用貸借なのか、贈与なのか遺言なのか)ことが、明確に示されていることが必要です。

2.雛型では不十分な理由

    ⇒私の用途にあわなければ意味がない

「売買契約書」「賃貸契約書」等インターネットを検索すれば契約書のひな型はあふれています。
しかし、ひな型は、汎用性の高い一般的な共通項を集積したモデルにすぎません。
自分のサイズにあう服や靴を選ぶように、自分の目的を満たす契約書を作成するには、個別の調整が必要です。

(1)取引活動の多様性
契約の種類は民法典上は13種類(民法典に規定のない非典型契約は多数あります)にも関わらず、契約の対象とな経済活動は無数にあります。

例えば、「売買契約」一つとっても、農産物の売買も大型工作機の売買も情報商材の売買も、物の所有権の移転とその対価の支払いという同じ「売買」ですが、当然売買の対象物の性質によって売買契約の内容は異なってきます。

(2)誰のための契約書か
言わずもがな、自分のためです。上述したように、契約書はいざという時、紛争が発生した時の書類でもあるのです。その時自分を守るためには、自分に有利であること、少なくとも「不利ではないこと」という最低の防御をする必要があります。
したがって、当然立場によって書き方は異なってきます。例えば、売買契約の売主であれば、代金支払のための担保を要求したり、瑕疵担保責任免除特約を望むでしょう。他方、買主であれば、支払条件を緩くしたり、品質保証を求めるでしょう。
一般的・抽象的・中立的な枠組みである雛型は、契約の大枠を設定するには有効かもしれませんが、個別の取引において自分を守ってくれる視点はないのです。

(3)標準型、買主優位型、売主優位型
『ビジネス契約書』見方・つくり方・結び方が参考になります。

 目的に沿った契約書を作成いたします。
〈ご依頼の場合の流れ〉
 ご相談→契約書原案作成→ご依頼人様と確認→契約書完成

標準報酬額

契約書作成 基本料31500円+必要時間(10500円/時間)
契約書チェック 必要時間(10500円/時間)

契約書翻訳(日/英)